最近、「リターゲティング, Retargeting, Behavioral Retargeting」というキーワードで呼ばれている行動ターゲティング広告が徐々に話題になってきています。
今年度に入り、国内でもヤフーやDACが、媒体社サイト上での閲覧履歴をもとに、視聴者の属性をカテゴライズしてターゲティング広告を行う「行動ターゲティング広告」を開始しています。これらは、リーチがそこそこ大きく、カテゴリ媒体への広告掲載と同様の効果が期待できるターゲティング広告手法です。
一方、「リターゲティング」では、主に、広告主サイトやECサイトを訪れた際の、より”消費”に近い行動履歴を活用して、サイト訪問者が一旦そのサイトを離れた後、広告掲載可能な媒体社サイトに訪れた際に、ユーザーのピンポイントな興味にあった広告などを掲載し、サイトへの再訪や購入を促すものです(前回のサイト訪問時に閲覧していた商品に対する期限付きディスカウント・セールを遡及するなど)。このタイプの広告は、効果はかなりよいことを期待できますが、対象者は相当絞り込まれます。典型的な流れは、「サイト誘導広告→サイト訪問→サイト内行動→リターゲティング広告→サイト再訪→購入」ということになります。
上記では、典型的なリターゲティング広告について、記載しましたが、実際には、まだ新しい概念であり、人により「リターゲティング」のとらえ方の幅が違います。いくつかの文献を参考にしながら「リターゲティングに使える広告主サイト内行動履歴」、「リターゲティングで気をつけるべきこと」、「リターゲティングでの検索行動履歴の活用」という観点で整理してみました。………<続きを読む>………

1.リターゲティングに使える広告主サイト内行動履歴
広告主サイトやECサイトを来訪した消費者の下記のような行動履歴を有効に活用して、同じサイトに来訪しやすいか、売上増につながるような広告を、サイトを離れた後に掲載
できます。
①購入した
②ショッピングカートに入れるが購入せず
③ユーザー登録したが購入せず
④興味深く、様々な商品/サービス情報を見てくれたが購入せず
各行動に対して、想定される広告は、
①アップセルやクロスセルを誘引する広告
・PC購入者に対して周辺機器や保守契約を進める広告
・航空券を購入したものに対して、ホテルやレンタカーを進める広告
②カートに入っている商品のディスカウント広告
③登録者向けのディスカウント広告
④興味をもった商品/サービスのディスカウント広告
SpecificMEDIA社の retargeting.com のサイト、わかりやすいアニメのデモがあります。
2.リターゲティングで気をつけるべきこと
(1)購買サイクルを考えて旬なうちに広告に出会うようにコントロールする
商品を探し初めてから決定するまでの平均的な期間や、アップセル・クロスセルをオファーするのに適した期間、特定商品カテゴリの平均的な購買サイクルなどをよく考えて、広告掲載場所にひっかかる程度の広告露出を考える。
(2)Retargeting 広告を出しすぎない
上記とは逆に広告の出しすぎも逆効果なので、フリーケンシーコントロールにより、リターゲティング広告掲載回数を制限する。
(3)消費者が行動収集をオプトアウトする仕組みを作っておく
匿名性を利用した行動ターゲティング広告ではあるものの、消費者心理を考慮し、履歴収集に関するサイトポリシーの掲載とともに、オプトアウト機構も必要。
3.リターゲティングでの検索行動履歴の活用
検索行動履歴については、ウェブブラウザのツールバー上にも検索窓があったり、広告主サイトやECサイト内にも検索窓があったりするので、これらを区別せずに、検索履歴全体を活用することが有効かもしれません。また、広告主サイト内行動履歴と組み合わせて利用することも考えられます。
Revenue Science社のサイトに、シンプルな Search Behavioral Targeting のわかりやすいアニメのデモがあります。
(付録) 従来型の媒体社サイト上での閲覧履歴に基づく行動ターゲティング広告を、「視聴者ベース行動ターゲティング広告(Audience-based Behavioral Targeting Ad)」とか、セグメント型行動ターゲティング広告(Segment-based Behavioral Targeting Ad)」と呼ぶことがあります。
<参考文献> Behavioral Retargeting 101、Retargeting Saves Money、Maximize Web Encounters by Retargeting
<2007/2/7追記>
2/7にDACから発表された「行動ターゲティング by クライアント」は、リターゲティング広告の一種です。

