11/5に放送のあったNHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」はかなりショッキングな内容でした。20年近く前にTRONで有名な坂村健さんが監訳された「トゥモローメーカー―人間とコンピュータはどこまでつき合えるか」(G・ファーマドール、1988年)を始めた読んだ時に、「ロボットの身体に人間の頭脳をダウンロードできれば人間は不死を手に入れられる」というコンセプトを聞いた時もショックでしたが、その時のコンセプトは、人間の脳の情報を何らかの形でロボットに移すというものでした。電子回路の集積度が猛烈な勢いで加速し、大規模な並列計算機が実現され始め、人工知能のソフト技術もだんだん洗練され始めたころで、このままいけば脳を代替するものがでてきて、人間の頭脳を丸ごとコピーできるのではないかという、かなりクリーンなアイデアで、ネット広告屋ではなく、並列マシン用のOS開発者・研究者だった当時の私にはずいぶんと刺激的なものでした。
今日、放映された「サイボーグ技術が人類を変える」は、人間とロボットが生身でもっとどろどろと接続したもので、ネットワークであらゆるものがつながりつつある現在、「トゥモローメーカー」の予測より、もっとものすごい世の中が到来するかもしれない予感をさせるものでした。
番組では、
1.脳から出る筋肉制御命令をスティールしてマシンを動かす
2.神経に直接電極をつないで脳へ様々なセンサー情報をインプットする
3.脳の異常/感情を電気的に制御する
4.脳が直接コンピュータを動かし道具を動かす
5.脳を外部からのっとり生命をロボット化する(ロボラット)
6.記憶さえも半導体により移植する
という切り口で、サイボーグ技術を紹介していました。
「トゥモローメーカー」で語られた世界は、脳の内容を収納するデバイスができれば、そこに丸ごと頭脳を移すというものでしたが、現実はもっとものすごいモデルです。脳もコンピュータも学習できるので、まったくのコピーを作らなくても、簡単なインタフェースを作れば、双方が学習をしてつなぐことができるようになります。一度、コンピュータと生命が結びつけばネットワークを利用して遠隔地からでもつながるようになります。
将来、脳に直接入手力装置が取り付けられたら、ウィルス感染により、人間がラット・ロボット化する可能性もあります。アニメ「攻殻機動隊」の世界がだんだん現実味を帯びてきていると思うのは私だけでしょうか?

